レンズの「1:○○」って何?

レンズの「1:○○」って何?

初めての方のデジタル一眼講座さぁ!フォトライフ始めましょう!!③

こちらの連載では、デジタル一眼初心者の方へ向け、カメラ・レンズの使い方、基礎的な写真の仕組みや撮り方など、”簡単に、わかりやすく”アドバイスしていこうと思います。
どうぞお付き合いください。


今回は、レンズに書いてある「1:4」とか「1:5.6」と書いてある数字について説明します。

前回の記事『レンズの○○mmって何?』と合わせて読むと、レンズ選びに役立ちますよ!


「絞り」という仕組み

1:○○」という数字は、「開放F値」というもので、「最大どれ位の光を取り込めるレンズであるか」を表しています。

レンズの内部には、「絞り」という入ってくる光の量を調整する機構が、組み込まれています。
この光の量を数字にしたものが「F値」と呼ばれているもので、カメラのファインダー内や背面の画面に「F4」とか「F16」といった風に表示されます。

「開放F値」というのは、そのレンズの「絞り」を開放(全開)した時の数値です。

「F値」は光の量を増やしていくと、数値が減っていきますので、
開放F値が小さいレンズの方が明るい(光を多く取り込める)」という事になります。

プロや愛好家は、これを「明るいレンズ」なんて言い方をします。

「開放F値」はそのレンズの焦点距離を有効口径というのもので割った値です。

これを比例にした「1:○○」をレンズに表記しています。
カタログや店頭では「1:〇〇」ではなく「F○○」と書かれていて「何ミリのFいくつ」と表現するのが一般的です。
このため、作例の撮影データなどでは「F値」を「絞り(値)」と表記して「開放F値」との混同を避けています。

「明るいレンズ」は高性能

同じ焦点距離(mm)のレンズであれば、「明るいレンズ」の方が高性能であると言えます。

光を多く取り込めれば、その分速いシャッター速度で撮影が出来るので、暗い場所(屋内など)や、動きの速い被写体に対して有利です。
又、レンズは構造上「絞り」を開ける(F値を小さくする)と、ピントの合う範囲が狭くなりますから、”背景をぼかしたい時”などにその効果が大きくなります。

* ピントの合う範囲を「被写界深度」と言います。絞りだけではなく、焦点距離によっても変わってきます。こちらは今後の連載でお話しますね

「開放F値」はレンズの構造や焦点距離よって違いますので、何をもって「明るいレンズ」と呼ぶのかはなかなか難しいんです。

そこで、私(管理人)なりの感覚で「明るいレンズ」定義してみると…

・単焦点の標準レンズ・・・・・・開放F値 1.4
・単焦点の広角レンズ・・・・・・開放F値  2
・単焦点の望遠レンズ・・・・・・開放F値 2.8 
・広角-望遠ズームレンズ・・・・開放F値 2.8
・望遠-超望遠ズームレンズ・・・開放F値  4

単焦点レンズとは、焦点距離が固定(ズームが出来ない)のレンズの事です

この数字以下のレンズも存在しますが、この位であれば実用上、充分に「明るいレンズ」だと思います。


2回にわたって、レンズに書かれている数字について説明をしてきました。

何倍で撮れて、どれくらい明るいレンズ」を表す数字の意味が、お解りいただけたでしょうか?

高性能なレンズは、値段が高い製品も多いです。
が、その分撮影が楽になったり、写真の表現の幅が広がったりと受けるメリットも大きいと思っています。

皆さんの撮影スタイルに合ったレンズ選びの参考になれば、幸いです。

(了)