「露出」は「3色弁当」?

「露出」は「3色弁当」?

初めての方のデジタル一眼講座さぁ!フォトライフ始めましょう!!④

こちらの連載では、デジタル一眼初心者の方へ向け、カメラ・レンズの使い方、基礎的な写真の仕組みや撮り方など、”簡単に、分かりやすく”アドバイスしていこうと思います。
どうぞお付き合いください。



最近のカメラのオート撮影モードは高性能ですから、極端な場面(暗すぎ、明るすぎ)以外ではあまり気にすること無く、ちゃんと写真が撮れますね。
これは、カメラ側が「露出」を適正にコントロールしてくれているからです。
では、その「露出」とはどんなものか?
今回は、そんなお話です。


「露出」って?

露出」とは、レンズを通って来た光を、カメラの映像センサー(フィルム)に当てる事を指します。

ざっくり「写真を撮る時の光の量」と覚えて下さい。

この時、光の量を最適にコントロールして「見た目に自然な明るさで写真が撮れている」状態を「適正露出」と言います。

「露出」を決める3つの要素

「露出」の光の量を決めるには「シャッター速度」・「絞り」・「ISO感度」を調整します。
それでは、この3つの要素について説明しますね。

シャッター速度
レンズを通って来た光を、映像センサーに当てる時間です。
カメラのファインダーに表示される、「500」とか「2″」とかの数字がそれです。
「数字」だけの場合は、1/何秒、「数字」と「″」の時は何秒という風に読みます。
上記の場合は「500」が「1/500秒」、「2″」が「2秒」って事ですね。
「シャッター速度」が早くなるにつれ、取り込む光の量が減っていきます。

絞り
こちらは、光の量をレンズの「絞り」機構で調整します。
「F2.8」とか「F11」という表示がそれに当たり「F値]と言います。
「F値」を少なくする(絞りを開ける)と、通る光が多くなります。

ISO感度
これは、映像センサーの感度です。
「ISO400」の様にファインダーで表示されてます。
この数字が大きくなる程、高感度になり光を多く受けられます。

 

光の量少ない ⇔  多い
シャッター速度速い  ⇔  遅い
絞り(F値)小さい ⇔  大きい
ISO感度(数字)小さい ⇔  大きい
3要素と光の量の関係

「適正露出」は 「3色弁当」?

「露出」は、上の3つの要素のバランスで決められます。
これを「3色弁当」に例えて考えてみましょう。

まず、「適正露出」を「弁当箱」と思って下さい。

そして、
「シャッター速度」の光の量を「タマゴ」
「絞り」
の光の量を「肉」
「ISO感度」
の光の量を「野沢菜」 とします。

ここで、動く被写体を「ピタッと」止めるため、「シャッター速度」を早くしたとします。
「タマゴ」の量が減る事になりますから、「肉」と「野沢菜」を増やさないといけませんね。
「ISO感度は」画質に大きく影響する要素なので、あまり変えたくないですから「野沢菜」の量はそのままにしておきます。
なので、この場合は「肉」を増やす事で「適正露出」にします。

今度は、ピントの合う範囲を広くするために、「絞り」を小さくしたとすると、減った「肉」分を「タマゴ」をで埋める事になりますね。

「適正露出」を決める事は「3色弁当」を盛り付ける事と考えると、解りやすいかなと思います。

つまり、
・「適正露出」は3つの要素のバランスで決まる。
・1つを変えると他の2つ、もしくは1つを変えなければならない。

という事がおわかり頂けたでしょうか?


「露出」3つの要素を変える事で、暗い被写体を明るく撮ったり、明すぎる時は光を抑えめにして撮ることができます。
又、わざと3要素のバランスを崩して、写真を演出するテクニックもあります。
この辺は、今後の連載で触れていきますね。

ご自分でも、「シャッター速度」や「絞り」を色々変えて撮ってみて下さい。
同じ写真でも、印象が違って見えて面白いですよ!

(了)


追記:オート撮影モードと「露出」

ほとんどのデジタル一眼には「P」「S」「A」「M」の撮影モードが搭載されています。

この内の「S」は「シャッター速度優先AE」を指します。(「Tv」と書いてあるカメラもあります)
撮影者が「シャッター速度」を決めると、カメラが「絞り」を調整して「適正露出」を決めてくれます。
逆に「A(Av)」は「絞り優先AE」で、「絞り(F値)」を決めると「シャッター速度」が自動で決まります。
「M」は「マニュアル」で、「シャッター速度」と「絞り(F値)」を自分で決める時使います。
「P」は「プログラムAE」の事で、カメラが状況に応じて「シャッター速度」と「絞り(F値)」を自動で決めるモードです。