あの頃セナ・プロに熱狂した方へ 番外編

あの頃セナ・プロに熱狂した方へ 番外編

2020年12月16日 アルファタウリ・ホンダから、来年のドライバーとして、角田裕毅(F2/カーリン)の起用が発表されました。
日本のモータースポーツファンには、一足早いクリスマスプレゼントですね。

今回は『2020年「F1」こうなってます』の番外編として、今年の振り返りと2021年度のF1ドライバー・ラインナップを、思いっ切り私見を交えて解説してみたいと思います。


2021.3.27 追記


2020年のふり返り

7月に開幕がずれ込んだ2020年度のF1シーズンは、12月13日のアブダビGPをもって終了しました。

ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)の圧倒的な強さ。
それに食い下がるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。
最後まで目が離せなかった中団グループの熱戦。
フェラーリの不調。
新しい力の台頭。(ラッセル/ノリス/ストロールなど)
そして、燃えるグロージャン!(ハース/無事で良かった)

コロナ禍での特別ルールの適用や、予定とは違ったサーキットでの開催、4回の3週連続レース(これは少しきつかった)など見ていて飽きない一年でした。
全17戦がヨーロッパから陸送できる範囲で行われた為、日本GPが無かったのは残念でしたが...

多少のバタバタは有りましたが、幾多の問題を乗り越えてシーズンを完走した「F1」に敬意を表したいと思います。

2021年度 チーム/ドライバー・ラインナップ

*チーム名後の( )はPUメーカー、ドライバー名の前の数字はカーナンバー、後の( )は国籍


メルセデス(メルセデス)
17戦13勝で今年もコンストラクターズタイトルを獲得しました。(7年連続!)
「強すぎてつまらない」なんて声もありますが、ごくまれに単純なミスからリズムを崩し勝てるレースを取りこぼすなんて事もあったりして、目が離せないチームです。
PUの一部に弱点を持っていましたが、来年はその辺りも改善して最強であり続けると思われます。

44  ルイス・ハミルトン (イギリス)
現役最速のドライバーですね。
今年、7度目のワールドチャンピオンに輝き、「皇帝」ミハエル・シューマッハの記録に並びました。
通算でも優勝回数、ポールポジション獲得回数、リードラップ周回数など歴代1位の記録が目白押しです。
今の「F1」の中心人物である事は、間違いありません。
来年も速いんだろうなぁ…

77  バルデリ・ボッタス (フィンランド)
目立ちませんが、確実に表彰台に乗っています。
最速のマシンに乗っているのを差し引いても、トップドライバーの一人と言えるしょう。
自分の車にだけトラブルが出たりしてツイてない感じもあったりますが、来年はハミルトンとの接戦を期待しています。
がんばれ!

レッドブル(ホンダ)
今年、メルセデスに唯一勝負を挑めたのがこのチームでした。
マシンが良いときにはPUに問題が出て、PUが好調な時は、セッティングで苦労する事が多かった感じです。
これがなければ、もう少し首位に肉薄出来たのではと…
スタート前に壊れたサスペンションを、グリッド上で交換してスタートに間に合わせたり、毎回2秒前後でタイヤ交換を完了させたり、ピットワークには定評があります。
来年は、もっと白熱のチャンピオン争いをして欲しいですね。
又、来年限りで「ホンダ」が撤退してしまうので、再来年のPUをどう確保するのかも気になります。

補足:2021年2月「レッドブル」は、2022年から「ホンダ」のPUプロジェクトを引き継ぎ新会社を設立、2025年のシーズンまで継続して、PUを継続使用することを発表しました。(「ホンダ」の名前は消えてしまいます)
どんな体制で運営されていくかは未定ですが、ひと安心といったところでしょうか
2021.3.27 追記

33  マックス・フェルスタッペン  (オランダ)
メルセデスの2人と共にすっかり表彰台の常連になりました。
チームメイトからの援護があまり受けられない中での、優勝2回、ランキング3位は立派だと思います。
スタート後のせめぎ合いでの接触も目立つ印象ですから、この辺の駆け引きがもっと上手くなって来ると、ワールドチャンピオンが近付いて来るでしょう。

11  セルジオ・ペレス (メキシコ)
レーシングポイント(来年からアストンマーティン)から移籍のベテラン。
参戦190戦目での初優勝(第16戦サクヒールGP)がシート獲得の決め手になったのかなと思います。
元々速い上に、タイヤマネージメントも上手いので「フェルスタッペン以外は乗りこなせない」と言われているレッドブルのマシンをどう操るのか、今から楽しみにしています。

マクラーレン(メルセデス)
一時期の低迷からようやく脱し、コンストラクター3位を獲得しました。
見ている限りでは、年々チームが一丸となって戦ういい雰囲気が出てきています。
来年度からPUをルノーから最強メルセデスに変更し、更なる戦力アップが期待できるチームです。

3  ダニエル・リカルド (オーストラリア)
ルノーから移籍しました。
とにかくコーナーワークが抜群で、迫力のある走りが魅力的です。
いつも笑顔でプレスに対応するナイス・ガイでもあります。
表彰台での”シューイ”(靴にお酒を入れて飲む、母国の儀式だそうです)も、すっかりお馴染みですね。

4  ランド・ノリス  (イギリス)
速さを増している期待の若手の一人。
楽しそうにレースをする感じに好感が持てるドライバーです。(フリー走行中に無線で歌ったりw)
着実にポイントを稼ぎ、レース中のFL(ファーステストラップ)を2回記録するなど、今年は著しく成長しました。
レース後にはメカニックの仕事を手伝う様な一面もあり、チームから可愛がられる存在です。

アストン・マーティン(メルセデス)
シーズン序盤の技術規定違反でポイントが剥奪されなければ、このチームがコンストラクター3位でした。
メルセデスとの技術提携は、確実にチームを上位グループに押し上げています。
来年チーム名をレーシングポイントからアストン・マーティンに変更します。
運営会社とメインスポンサー(BWT)は同じなので、ピンク色(BWTカラー)とアストンマーティンがどう融合されたカラーデザインになるのか楽しみです。


補足:2021年3月、テストに姿を現した新車「AMR21」は、いわゆる”ブリティッシュ・グリーン”にBWTのピンクのラインが入ったものに変更されていました。
久しぶりの「緑」のクルマです。
一瞬、「東北新幹線?」って思っちゃいましたが…。
2021.3.27 追記

5  セバスチャン・ベッテル (ドイツ)
4回のワールドチャンピオン経験を持つドライバーです。
フェラーリから移籍。
前チームではチャンピオンになれませんでしたが、来年はメルセデス由来のマシンとPUで、どんな活躍をするのか期待しています。
まだまだ、老け込む歳じゃないぞ!”セブ”!

18  ランス・ストロール (カナダ)
スケールの違う”お坊ちゃん”ドライバーです。
チームはパパが買った物ですし、アストンマーティンの大株主もパパです。
だからと言って決して実力が無い訳じゃないんですねぇ、これが…
今年は、ポイント圏フィニッシュ10回、表彰台にも2度上がっていますが、周りが見えていない様な接触も多いので、そこら辺が直ればなぁと思ってます。

アルピーヌ(ルノー)
”フランスの誇り”ルノーは、来年からチーム名を自社ブランドのひとつ「アルピーヌ」に変更します。
他カテゴリー(耐久やラリーなど)ではお馴染みのその名前。
「F1」でも輝く存在になって欲しいです。

14  フェルナンド・アロンソ (スペイン)
帰ってきましたね!嵐を呼ぶ男が! 3年ぶりにF1復帰です。
WEC(世界耐久選手権)やインディ500でも存在感を見せていましたが、やはりこの人は「F1」が一番似合ってると思いますよ。
今オフのテストでも速さを証明していましたし、来年からの「F1」を盛り上げてくれるのは間違いないでしょう。

31 エステバン・オコン (フランス)
2018年まで在籍していレーシングポイントでは、チームメイトのペレスと激しいバトルを展開して注目を集めていた、”熱い”ドライバーです。
1年のブランクを経て復帰した今年は、リカルドの陰に隠れてしまっていた印象でしたが、是非、来年は”熱い”アロンソと”熱い”闘いを見せてもらいたいです。

フェラーリ(フェラーリ)
どうした?フェラーリ!! 今年はそんな一年でした
TOP3の常連チームですが、今年はPUの戦闘力不足は如何ともし難く、コンストラクター6位に低迷してしまいました。
チーム内のゴタゴタや、レースでの作戦が上手くハマらない事も多くその辺も要因だと感じます。(これがフェラーリとも言えますが…)
やはり、「ティフォシ」ではなくても、このチームが強くないと「F1」は面白くないですよね。

16  シャルル・ルクレール (モナコ)
フェラーリに昇格した昨年(2019年)は、元チャンピオンのベッテルに迫る速さで、スタードライバーへの仲間入りを果たしました。
今年はマシンが思う様に走ってくれず、焦りからか無理なオーバーテイクからの接触(同士討ちなんて事も)が多かったなぁと思います。
改良したPUで、来年はメルセデスを追い回す「赤い跳ね馬」が見たいです。

55  カルロス・サインツ  (スペイン)
「トロロッソ(現アルファタウリ)」からF1デビューした2015年には、同期のフェルスタッペンに遜色のない速さを見せてたのが印象的です。
チームとの契約が切れてもすぐに次が決まったり、PUの使用権利とトレードされたり、”どのチームも欲しがる”ドライバーだと言えますね。
今年も着実にポイントを重ねランキング5位に入っています。
フェラーリで、更なるレべルアップを!




アルファタウリ(ホンダ)
ゆっくりですが、少しずつ中団争いに加わりつつあります。
今年は予選TOP10に食い込む事も、しばしばでしたね。
来年はあの頃のようにホンダPUで、1・2・3・4フィニッシュなんてのを見せてもらいたいです!

10  ピエール・ガスリー (フランス)
混乱の第8戦イタリアGPで、追いすがる後続を抑え切り初優勝。
表彰台に座り込み、喜びに浸っていたシーンは感動的でした。
レッドブルへの再昇格を期待されましたが、エースドライバーとして残留。
若いチームをけん引して、更なる活躍を期待しています。
スーパーフォーミュラでレース経験もあり、日本でも人気者ですね。

22  角田裕毅  (日本)
小林可夢偉以来、7年ぶりに待望の日本人F1ドライバーの誕生です!
今年、下位カテゴリーの「F2」でランキング3位、最優秀新人賞も獲得してステップアップして来ました。
オフのテストでも、落ち着いて周回を重ね好タイムを記録、海外メディアの評判も上々の様です。
まずはF1一年生として速さをアピールし、トップチームへの昇格、そして将来のワールドチャンピオン目指していって欲しいですね。
今から、プレシーズンテストが待ち遠しいです。




アルファロメオ(フェラーリ)
フェラーリのサテライトチームとして、PUなどの供給を受けています。
チームの本体は「ザウバー・モータースポーツ・AG」で、スイスを本拠地として活動中。
BMWからチームを買い戻した2010年以降、ランキング下位に沈むことが多く、耐久時代のザウバーの輝きを見ていた私(管理人)としては、少々残念に感じています。

7   キミ・ライコネン (フィンランド)
もうね、この人は居てくれるだけで良いです(w)
F1サーカスの政治的な事には一切の興味を示さず、唯我独尊。
毎レース毎レース楽しそうに走る41才は、見ているだけで楽しいです。
今一つのマシンながらも、時折見せるキレの有る走り、そして無線での悪態。
まだまだ、速さは色あせていません。若いです。
歴代1位の最多出走記録(332レース)を更新中。

99  アントニオ・ジョビナッツィ (イタリア)
フェラーリアカデミー出身の新人と入れ替えが噂された今年、3回のTOP10フィニッシュを決め、なんとか来年のシートを確保しました。
唯一のイタリア人ドライバーとして頑張る「イケメン」です。
(あ、新旧の「イケメン」コンビだわ。このチーム…)

ハース(フェラーリ)
アルファロメオと共に、フェラーリのサテライトチームです。
来年は、フェラーリから技術部門のキーパーソンの出向を受け、戦闘力アップが期待されています。
新人ドライバー2人を採用し、どんな闘いを見せるでしょうか?

9   ニキータ・マゼピン (ロシア)
暴れん坊がやって来たって感じですねぇ…
F3、F2それぞれで、喧嘩や大クラッシュを引き起こし、F1が決まってからもSNSの不適切投稿で、さっそくチームから叱責を受けているヤンチャな新人です。
「問題児」グロージャンが居なくなったと思ったら、すぐに後継者が出て来ました。はぁ(~_~;)

47   ミック・シューマッハ  (ドイツ)
今年F1昇格を見送り、一年間F2でしっかりと腕を磨いてきました。
「皇帝」ミハエル・シューマッハの長男です。
七光りなんて言われる事も多いですが、今年のF2チャンピオンですからそれには当たらないと思います。
フェラーリアカデミー出身なので、いつかは「赤い跳ね馬」を駆るミック”シューマッハ”が見られるかも知れませんね!

ウイリアムズ(メルセデス)
今年夏、チームはアメリカの投資会社ドリルトン・キャピタルに買収され、歴史あるチーム名の消滅がささやかれていましたが、来年も継続して使われる様です。
良かったです。
新しい体制が、低迷からどう脱却してくるのか?注目しています。

63  ジョージ・ラッセル (イギリス)
今年のハイライトは、何と言っても欠場したハミルトンの代役としてメルセデスをドライブした、第16戦サクヒールGPでの大健闘でしょう。
FPはすべて1位、予選はボッタスに次ぐ2位、決勝ではレース終盤までトップを快走しこのまま優勝かと思われました。
最終的にはチームのミスによって、9位で終わりましたが自身の才能を存分に見せつけたレースでした。
近い将来、メルセデスのドライバーとして走っているかも知れません。

6  ニコラス・ラティフィ (カナダ)
テストドライバーを2年間経験して、今年からフル参戦しました。
下位走行が多く、ほとんどTVには映りませんが、ひっそりとポイント獲得寸前の11位に3回入ってたりします。
中団とも大きく差があるマシンで、この走りは彼の速さの証明であると言えましょう。
来年は、初ポイントの獲得を!



以上の全10チーム/20人のドライバーで来年も開催されます。
ここ数年の中では、チーム名の変更や、ドライバーの移籍、復帰、新加入など比較的に入れ替わりの多い感じのオフになりました。
それもあって、新しい気持ちで来シーズンの開幕が待てそうです。

久しぶりに「F1」を見ようかなと思われている「戻りF1」の方もいい機会ではないでしょうか?
なんせ、角田祐樹の加入もありますからね!

来年も「F1」を楽しみましょう!!


(了)