「選手村」がある「晴海」ってどんな場所だった?

「選手村」がある「晴海」ってどんな場所だった?

東京2020オリンピック」は8月9日、興奮と共に閉幕しました。

選手村」に滞在したオリンピアン達から多くの好意的な声がSNSに投稿され、開催国民としてはちょっと嬉しかったです。
もちろん、ボランティアを始め関係者の方々の努力の賜物である事は、言を俟(ま)たないところであります。

来る「東京2020パラリンピック」でも、良い思い出を選手達に持ち帰ってもらいたいですね。

今回は「選手村」が建つ「晴海」の歴史を、簡単にご案内したいと思います。

また、建設中の「選手村」の写真も載せておきますので、こちらも併せてご覧ください。


国際イベントと共に歩んだ 晴海地区の歴史

「選手村」がある「東京都中央区晴海」という土地は、明治時代後半から始まった東京湾のしゅんせつ工事で出た残土を利用し埋め立てられた土地です。
完成が1929年(昭4)ですから、90年を超える歴史を持っていることになります。
結構、昔のことなんですね。

1932年(昭8)当時の「東京市」は手狭になった「市役所(今の都庁舎)」を、丸の内から晴海に移転する事を決定します。
場所は、現在「晴海トリトンスクエア」があるエリアです。

地下鉄も引いてくる計画もあったそうで、実現していたら…と思ったりします。
翌年には建物のデザインも決定し、建設を待つばかりとなりましたが、各所からの反対で計画自体は白紙となってしまいました。

「市役所」の移転計画が無くなった頃、今度は「晴海」で1940年(昭15)に「万国博覧会」を開催する事が決まりました。
都心部からのアクセスのため、「勝鬨(どき)橋」が架けられたのもこの事業の一環です。
万博会場は「晴海」から「豊洲」に掛けての海側に設けられ、国内外のパビリオンや野外劇場などが立ち並ぶ他に、横浜の「山下公園」にもサブ会場が設定されていたりして、かなり盛大な規模の計画でした。
入場券も販売されていたのですが、戦争に向かう時局の中で「万国博覧会」は、同年に開催予定だった「東京オリンピック」と共に中止されてしまいます。
戦争を挟んで終戦後「晴海」は進駐軍の港湾施設(飛行場もあったとか!)として接収された後、返還されました。

1959年(昭34)、現在「選手村」が建つエリアに「東京国際見本市会場」が建設されます。
晴海の展示場」と呼ばれていたりもしましたね。
「国際見本市」や「東京モーターショー」など各種大規模展示会場として、「晴海」のランドマークとして長く親しまれました。
コミックマーケット」の会場としても有名でした。

私事で恐縮ですが、私(管理人)が現在の仕事を始めたころ、各種イベントでかなり頻繁に通った思い出深い場所でもあります。
「ガメラ(C号館)」裏の寿司屋さん、うまかったなぁ。

そんな「東京国際見本市会場」でしたが、お台場に「東京ビックサイト(国際展示場)」が建設さると徐々に役割をそちらに譲り、1989年(平8)年に閉場されました。

その後、「見本市会場」の広大な跡地は「中古車販売店」「白バイの練習場」「コンサート会場」「飛行船の発着所(!)」など様々な用途に利用されます。
サッカー場やテニスコートがあった時期もあります。
2015年まで毎夏開催された「東京湾大華火祭」の観覧席としても開放されましたので、お越しになった方もいらっしゃるかもしれませんね。

その他には、台風の際に「カモメ」などの海鳥が避難所として利用し、広場が鳥たちで埋まったなんて事もありました。(地面に降りて座ってました)
動物たちの危機回避能力に、感心した事を覚えています。

また、今回の「東京オリンピック・パラリンピック」の以前に招致失敗した2016年の大会では「メインスタジアム」の候補地として、IOC委員の視察を受けた事もニュースになりましたね。

この様に「晴海」は国内外を問わず、様々なイベントと常に歩み続けた土地であると言えるでしょう。

PHOTO: 建設中の「選手村」

土地造成をほぼ終え、基礎工事に入った頃
2017年10月の写真です

画面左 フェンスの向こうが「選手村」です
「選手村」内から入り口方向
「晴海客船ターミナル」送迎デッキから
「選手村」一番奥のエリアです

建設が進んだ2019年4月から6月の様子です

オリンピックでは「中国」などの選手団が入った建物にあたります
「選手村」中から
建物の手前に「選手村食堂」が建てられました

2021年6月
開村直前の姿
手前の「環状2号線」はすでに交通規制されています。

使用機材
camera
OLYMPUS OM-D E-M1X
OLYMPUS OM-D E-M5
lens

M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6II R
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL 2x Teleconverter MC-20


開村後の「選手村」の様子はこちら⇒【「2020東京オリンピック」選手村】でご覧いただけます。


東京2020オリンピック・パラリンピック」で「選手村」として使用された建物は、一部を除いて住宅として改修され、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」として生まれ変わります。

新たなランドマークとしての街区を加えた「晴海」は、どんな街になっていくのでしょうか?

これからも「晴海」をウォッチしていきたいと思います。

「選手村」がある「晴海」ってどんな場所だった? (了)