Kiitos! ライコネン !

Kiitos! ライコネン !

あの頃セナ・プロに熱狂した方へ 2021  ⑧

2021年12月10日。
F1ドライバー「キミ・ライコネン」の最後のグランプリが始まりました。

彼が駆るアルファロメオ・レーシングのマシンには、チームからの惜別のメッセージがこう書かれています。

DEAR KIMI
WE WILL LEAVE YOU ALONE NOW


親愛なるキミ
これからは、君を放っておく事にしたよ


これはライコネンが過去に発した、F1の歴史に残る名言(迷言?)へのアンサーとなっています。

今回は、そんなお話です。


LEAVE ME ALONE!

「名言」が生まれたのは、2012年の第18戦 アブダビ・グランプリ。
奇しくも、今回と同じサーキットです。

4番グリッドからスタートしたライコネン(ロータス)は、1コーナーで一気に2位へ!
20週目に1位のハミルトンが突然ストップし、そのままリタイヤしました。

トップに立ったライコネンに対し、チームは後続とのタイム差を維持するよう、繰り返し無線で伝えます。

これにイラついたライコネンは、こう叫びました。



LEAVE ME ALONE!
I KNOW WHAT I’M DOING!


放っておいてくれ!
自分が何をやってるかは、わかってるから!




「名言」誕生の瞬間です。

このレース以降、ライコネンが無線で放つ数々の言葉(大体がチームへの文句か、他ドライバーへの抗議でした)は、レースのたびに取り上げられ、すっかりF1中継の名物となりました。

限界ギリギリで戦う他のドライバーも、同様な発言をしていたと思うのですが、彼の発言だけが特にフォーカスされていてちょっと気の毒だったかなとも思います。
かく言う私(管理人)も、それを楽しみにしていたひとりですが…

アイスマン」と呼ばれ、普段はゆっくりした口調で話し、どんな時でも表情を変えない彼がレースとなると豹変。
そんなギャップが、注目を集めたのかもしれませんね。

今回、アルファロメオ・レーシングが彼に送ったメッセージには、こんな由来があるんです。

グッとくる、粋な惜別の言葉です。
 

twitter.com/@alfaromeoracing

YES YES YES

このレースで、ライコネンはもうひとつ「名言」を残しています。

レース終盤、数台によるクラッシュが発生。
イエロー・フラッグが振られ、セイフティ・カー先導で走行するライコネンに、チームはタイヤの温度を維持するよう何度か指示を出します。

これに対して、ライコネンは...



YES YES YES !
I’M DOING ALL THE TIME !
YOU DON’T HAVE TO REMIND EVERY SECOND !


はいはいはい!
いつもやってる事だろ!
何回も確認すんなよ!




「名言その2」(w)の誕生です。

相次ぐ「名言」に中継していたフジTVの解説陣も、思わず苦笑していたことを覚えています。
「キツい言い方だなぁ」と。

このレースは、リードを守ったライコネンの優勝で幕を閉じました。
前年までの2年間、F1を離れていた彼にとって復帰後の初優勝です。

ライコネンもさすがにこれらの発言はマズいと思ったのか、次のレースでチームスタッフ全員に「名言」入ったTシャツを配ったそうです。
この「名言Tシャツ」は話題を呼び、ついには世界中で市販される事態に発展します。
私(管理人)も「名言その2」のパーカー、即買いしちゃいました。(結構高かったけど)
未だに、愛用しています。


12月12日。
アブダビ・グランプリ決勝。

通算21勝。2007年度のワールドチャンピオン。
19年間にわたり活躍した キミ・ライコネン の走りは見納めとなります。

F1サーカス特有の政治的な動きや心理戦には関心を持たず、純粋に走る事だけに集中したライコネン。
「セナ・プロ」がいた「あの頃」 の空気を持ったドライバー。
世界中のファンのみならずドライバー達やパドックの誰しもが尊敬し、愛した ”アイスマン”。


Kiitos(ありがとう)! ライコネン!
 

最後の雄姿を、しっかりと目に焼き付けたいと思います。
 

twitter.com/@alfaromeoracing



あ、そういや、FP2終わりで派手にクラッシュしてたけど、大丈夫かなぁ…


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