リニアモーターカー に乗ってみませんか?
- 2022.05.27
- 鉄道 雑学
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もうリニアモーターカーに乗れるってご存知でしたか?
「え?まだ先の事じゃないの?」
「山梨のリニア実験線での試乗でしょ?」
いいえ、違うんです。
すでに色んなところで走っていて、気軽に乗れるんです。
今回はそんなお話です。
いろんなところで乗れます
2022年現在、日本で「リニアモーターカー」が乗客を乗せて走っている路線は8路線ありまして...
仙台市地下鉄 東西線
東京都営地下鉄 大江戸線
横浜市営地下鉄 グリーンライン
愛知高速交通 東部丘陵線(リニモ)
Osaka Metro 長堀鶴見緑地線
Osaka Metro 今里筋線
神戸市営地下鉄 海岸線
福岡市地下鉄 七隅線
と、多くの都市で走っています。
リニアモーターカーっていうと、未来の鉄道って感じですが、「未来」はもうこんなに身近にあるんですね。
リニアモーターカーとは
リニアモーターカーの定義
「リニアモーターカーは線路に浮いて、凄く速い列車」とイメージされている方も多いでしょう。
現在建設中の リニア中央新幹線 は正にそれに当たります。
ですが、上に挙げたリニアモーターカーのうち、リニモを除いた7路線は、浮きもせずそんなに速くもありません。(リニモは時速100キロで走ります。)
では、なぜそれらがリニアモーターカーと呼ばれているのか?
「リニアモーターカー」を定義してみると...
「リニアモーターで動く電車」ということになります。
つまり、浮かなくても、速くなくてもリニアモーターを駆動力として走る電車を、そう分類するという事ですね。
リニアモーターって?
リニアモーターにはいくつか種類があるのですが、今回は多くの鉄道で使われているタイプを思いっきり簡単に解説したいと思います。
まず、プラモデルなんかで使うモーターを想像しください。
そう、あの赤と青のコードのついた、電池を繋ぐと回るやつです。
そのモーターを分解してみると、「回る部品」とそれを「取り囲む部品」があります。
「回る部分」に流れた電流によって生まれた磁力を「取り囲む部品」に反応させて、モーターは回っています。
その「回る部品」を電車に取り付け「リニアモーター」とし、「取り囲む部品」を線路の真ん中にずーっと敷いて「リアクションプレート」とします。(下写真参照)
普通のモーターと同様に「リニアモーター」に電流を流すと磁力が発生します。
その電流の向きを交互に変え磁力の向きを(N極とS極)切り替えると、「リアクションプレート」との間に吸引力と反発力が生まれます。
この力が推進力となるわけです。
「モーターの回転運動を直線(リニア)運動に変えたもの」
それがリニアモーターです。
なぜリニアモーターカーなのか?
リニモを除く7路線に共通しているのは、すべて地下鉄であるということにお気づきでしょうか。
なぜ、地下鉄での採用例が多いのか?
それには、その建設費が大きな理由に挙げられます。
リニアモーターカーの地下鉄は、比較的新しい路線です。
(一番古いのは Osaka Metro 鶴見緑地線で1991年の開業)
都市に新しく地下鉄を建設する場合、既存の地下鉄や道路、電気・ガス・水道などのインフラ設備、建物の基礎などを避ける必要があり、急カーブや急こう配(坂道)が多くなってしまいます。
このため、ただでさえお金が掛かる地下鉄建設費がさらに増大します。
ここで、リニアモーターカーを採用する理由が出てきます。
リニアモーターカーには、大きなモーターを積む必要がありません。(前章の写真参照)
また、直径の大きな車輪もいりませんから台車が小さくて済み、電車のサイズを小型化できます。
これによってトンネルの直径を小さくすることができますから、建設費の削減が出来るというわけですね。
また、リニアモーターカーは普通の鉄道に比べ、急こう配や急カーブの走行に優れていて、くねくねと走る地下鉄に向いている方式といえます。
「鉄輪式」と「浮上式」
リニアモーターカーには、大きく分けて「鉄輪式リニア」と「浮上式リニア」があります。
今回、ご紹介してきたリニモを除く7路線の地下鉄は、すべて「鉄輪式リニア」に分類されます。
リニアモーターを駆動力として、レールの上を鉄の車輪で走ることからそう呼ばれています。
一方の「浮上式リニア」にはJR東海のリニア中央新幹線や愛知高速交通 リニモが入ります。
読んで字のごとく、線路(ガイドウェイ)から浮上して、リニアモーターで推進する列車です。
通常の鉄道ではレールと車輪の間にいわゆる「転がり抵抗」という後ろ向きの力が発生し、走行時の大きな障害となります。
これを解消するには、電車自体を何らかの方法で浮かせば良いわけですね。
リニア中央新幹線とリニモの二つは、磁石の力を利用して電車を浮かせています。
これは「磁気浮上式鉄道(英:Maglev マグレブ)」と呼ばれ、高速走行に向いた方式です。
今回は、リニアモーターカーについてのお話でした。
リニア中央新幹線の開通はまだ先のことですし、試乗の予約を取るのも大変です。
今度のお休みにでも「気軽に乗れるリニアモーターカー」を体験されてはいかがでしょう?
普通の地下鉄とは音や、乗り心地も違っていたりして興味深いですよ。
画像出典サイト
一般社団法人 日本地下鉄協会
http://www.jametro.or.jp/
リニアモーターカー に乗ってみませんか?(了)
地下鉄も結構深いです
リニモにつながるHSSTの歴史がわかります
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