2023『F1マシンの見分け方』ガイド
- 2023.09.21
- F1 モータースポーツ
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今の「F1」こうなってます 2023年版 ⑤/あの頃セナ・プロに熱狂した方へ
いよいよ来る9月22日(金)~24日(日)、三重県の鈴鹿サーキットにおいて「F1世界選手権 日本グランプリ」が開催されます。
日本GPを現地やTV中継で「F1」を観戦なさる方に向け、鈴鹿を駆け抜けるマシンの見分け方をご案内したいと思います。
セナ・プロの「あの頃」とはマシンのカラーリング随分と変わっていて、驚かれると思います。
初心者の方も観戦のお供になさって下さい。
今回はそんなお話です。
この連載は「久しぶりに F1 見てみようかな?」なんて思っている方へ向け「セナ・プロ」が活躍していた「あの頃」(1980年代後半から90年代戦半くらい?)との違いなどを交えつつ現在の「F1」を解説し、”初心者の方にもわかりやすく”を目指しています。
これをきっかけにお一人でも「戻りF1」「はじめてのF1」という方が増えたのなら幸いです。
はじめに
今年(2023年)のF1世界選手権は、10チームで争われています。
各車とも華やかなカラーリングになっていて、チームを見分けるのにはそんなに苦労しません。
(一部わかりづらいチームがありますが、そこはこの記事で解説していきます)
1チーム・2台のマシンには共に同じカラーリングが施されおり、その内の一台はマシン上部の”オンボードカメラ”を黄色く塗装して、どちらのドライバーか見た目でわかるようになっています。
またチームによっては”HALO”や”フロンウィング”、”オーバーホイール・ウィングレット”などにも黄色の刺し色をして、認識を助けています。
カーナンバーは「あの頃」と違いドライバー個人のものとなっていて、原則として引退するまでその番号を使います。(F1から離れた場合でも、数年間その権利があります)
また、前年のワールドチャンピオンは特別にカーナンバー「1」を使用することができます。
これは個人の好み(?)で、使用してもしなくても構いません。
ですので、昨年のワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペン個人のカーナンバーは「33」ですが、今年は「1」を付けています。
反対にワールドチャンピオンを連続して獲得し続けていたルイス・ハミルトンは、一貫して「44」の個人番号を付けています。
F1マシンについて詳しく知りたい方は下記をクリック!
今のF1こうなっています 2023年版
マシンを見分けよう!
それでは、F1マシンの見分け方のポイントと簡単なチーム解説をしていこうと思います。
2023年9月22日現在のコンストラクターランキング順のご紹介になります。
凡例
チーム名の後「PU=〇〇」はパワーユニットメーカー
ドライバー名の数字がカーナンバー
ドライバー名に(*)はオンボードカメラが黄色
レッドブル(Oracle Red Bull Racing) PU=RBPT(ホンダが委託生産)*
ドライバー
1 マックス・フェルスタッペン(オランダ)
11 セルジオ・ペレス(メキシコ)(*)
見分けポイント
・ベースは濃紺
・フロントノーズと側面に黄色ベースに赤い牡牛
・マシンサイドに「HONDA」のロゴ
2021年、22年と2年連続ワールドチャンピオンに輝いたフェルスタッペンを擁し、今年も選手権をリードする現在の最速チーム。
エナジードリンクメーカーがスポンサーではなく、直接所有するという珍しい形態のチームです。
2026年からはPUをフォードと共同開発します。
*RBPT(レッドブル パワートレインズ)
2021年までレッドブル/アルファタウリにPUを供給していた「ホンダ」の撤退に伴い、設立されたPUメーカー。
当初は現行PUの製造も行う予定でしたが、2026年からの新レギュレーション対応のPU開発に集中するためホンダ(実際は関連のホンダレーシング)に生産を委託しています。
メルセデス(Mercedes-AMG PETRONAS F1 Team) PU=メルセデス
ドライバー
63 ジョージ・ラッセル(イギリス)
44 ルイス・ハミルトン(イギリス)(*)
見分けポイント
・とにかく真っ黒
・スポンサーである”ペトロナス”カラーのグリーンライン
・ハミルトンのマシンは「HALO」に黄色の刺し色
2021年まで8年連続コンストラクター首位を獲得し、一時代を築いた名門チーム。
ルイス・ハミルトンは歴代最多タイの7度のワールドチャンピオンに輝き、英王室から「ナイト」の爵位を授与されています。
実はこのチームの歴史をさかのぼると、「あの頃」の”ティレル”だったりします。(ホンダだった時期も)
フェラーリ(Scuderia Ferrari) PU=フェラーリ
ドライバー
16 シャルル・ルクレール(モナコ)
55 カルロス・サインツ(スペイン)(*)
見分けポイント
・イタリアンレッド
・ノーズとサイドに”シェル”の黄色い貝マーク
・正面から見たとき”アルファロメオ”のマシンと間違えやすいですが、こちらの方が”明るめの赤”
ご存知、”F1の代名詞”フェラーリ。
ここ数年の不調を払拭し、TOP3まで戻ってきました。
開幕から続いたレッドブルの連勝を、前戦マレーシアGPで止めたのがサインツです。
アストンマーチン(Aston Martin Aramco Cognizant F1 Team) PU=メルセデス
ドライバー
14 フェルナンド・アロンソ(スペイン)(*)
18 ランス・ストロール(カナダ)
見分けポイント
・メタリックグリーンに蛍光イエローのアクセント
・アロンソのマシンは「オーバーホイールウィングレット」前縁に黄色の刺し色
現在のチーム体制になってから徐々に力をつけ、トップチームの仲間入りを果たしました。
これには今年から加入したアロンソの力も大きいと思っています。
レギュレーションが変わる2026年からは、パワーユニットを復帰する”ホンダ”に変更する予定。
「あの頃」の”ジョーダン”の現在の姿です。
マクラーレン(McLaren Formula 1 Team) PU=メルセデス
ドライバー
4 ランド・ノリス(イギリス)(*)
81 オスカー・ピアストリ(オーストラリア)
見分けポイント
・オレンジと黒の塗分け
・タイヤホイールなど各所に”Google”のマーク
・日本グランプリまでは上写真のスペシャルカラーリング(通常は違う塗分けに水色ライン)
セナ・プロ時代の赤白(マルボロカラー)と随分と変わりました。
これは、チーム創設者 ブルース・マクラーレンの出身国である、南アフリカの色”ゴールド”を元にしたものです。(モータースポーツにおけるナショナルカラー)
若い2人のドライバーに注目です。
アルピーヌ(BWT Alpine F1 Team) PU=ルノー
ドライバー
10 ピエール・ガスリー(フランス)(*)
31 エステバン・オコン(フランス)
見分けポイント
・メタリックブルーがベース
・フロント/リアウィングおよびサイドにスポンサー(BWT)カラーのピンク
・フロントにフレンチ・トリコロールのライン
自動車メーカー”ルノー”のブランドのひとつ、アルピーヌ名で参戦。
チーム、PU、ドライバーを”オールフレンチ”で固めています。
ガスリーは日本のレースでも活躍していました。
元は「あの頃」の”ベネトン”です。
ウィリアムス(Williams Racing) PU=メルセデス
ドライバー
2 ローガン・サージェント(アメリカ)(*)
23 アレクサンダー・アルボン(タイ)
見分けポイント
・水色にオレンジのアクセント(次戦まで限定のガルフカラー)
・通常のマシンはダークブルーがベース(下写真参照)
「あの頃」ナイジェル・マンセルやネルソン・ピケなどが乗っていたチームです。
長い低迷を経て、最近は予選上位に食い込む活躍をみせています。
現在、ウィリアムス家は経営から離れアメリカの投資グループが所有。
ハース(MoneyGram Haas F1 Team) PU=フェラーリ
ドライバー
20 ケビン・マグネッセン(デンマーク)
27 ニコ・ヒュルケンベルグ(ドイツ)(*)
見分けポイント
・白と黒の塗分けに赤いアクセントライン
・フロント/リアウィングも赤
・正面からだと”アルファタウリ”と見分けづらいですが、「フロントウィング」の赤と「HALO」が白が見分けポイント
なぜかツボに入ると速いけれど、なぜかダメな時はダメ。
なぜかリタイアが多く、なぜか理不尽なペナルティを喰らう。
強面のチーム代表は、なぜか女性に人気(失礼!)。
そんな、”なぜか”がハースの魅力だと思っています。
ここ数年ドライバーの入れ替わりが多い印象ですが、今年のベテランコンビは安定して速くていい感じです。
アルファロメオ(Alfa Romeo F1 Team Stake) PU=フェラーリ
ドライバー
24 周冠宇(中国)(*)
77 バルデリ・ボッタス(フィンランド)
見分けポイント
・赤と黒の塗分け(フェラーリの赤より暗め)
・後方から見るとリアウィングがイタリアンカラー(緑・白・赤)
プライベートチーム”ザウバー”が、アルファロメオのネーミングライツを受けています。
来季からは”アウディ”と提携するため、この名前とカラーリングは今年で見納めとなります。
大ベテランのボッタスと2年目の周、バランスのとれた布陣です。
アルファタウリ(Scuderia AlphaTauri) PU=PRBPT(ホンダが委託生産)
ドライバー
22 角田祐樹(日本)(*)
40 リアム・ローソン(ニュージーランド)
見分けポイント
・白と濃紺の塗分け
・サイドに大きな”at”ロゴ
・「フロントウィング」は黒 「リアウィング」が赤 (ハースとの見分けポイント)
・「HALO」が赤 (ハースとの見分けポイント)
レッドブルが所有するセカンドチーム。
元々は「あの頃」のミナルディです。
自社のファッションブランド”アルファタウリ”をチーム名としていますが、来年からは新スポンサー名に変わる予定です。(噂ではヒューゴボスとか、アディダスとか出ていますがどうなるでしょう?)
まだ若いドライバーラインナップですが、3年目の角田は精神的にも成長し確実に速くなっていますので、マシンのアップデートさえハマれば鈴鹿での入賞(欲を言えば表彰台)を期待できると思います。
チームメイトのローソンは今年日本でレースをしていましたが、負傷したダニエル・リカルドにかわって急遽起用されました。
3戦目で入賞を果たすなど、新人らしからぬ結果を出すドライビングが魅力です。
F1マシンの見分け方、いかがだったでしょうか?
この記事をお手元に、日本グランプリをお楽しみください。
現地で観戦される方は、暑さ対策と雨対策をしっかりなさってくださいね。(そして陽が落ちるとちょっと冷えます!)
サーキット内は案外坂道が多いですから、歩きやすい靴でお出かけください。
また、双眼鏡は必須アイテムです。(スマホのカメラだと良く見えないかも,… あとは動体視力が勝負です)
最近のマシンは「あの頃」より音が小さくなっていますが、心配な方は耳栓を用意することをお勧めします。
F1日本グランプリといえば「秋」というイメージですが、来年からは「春(4/5~7)」にスケジュールされています。
風物詩だった秋の夕陽に照らされた表彰台が見られなくなるのは少々残念ですが、近年は台風の影響でスケジュールが変わったりしてしまっていたので仕方ないかなと思います。
桜が舞い散る春の日差しの中のレースを楽しみに、来年を待ちましょう。
その前の週の3月30日には、東京・お台場で電気自動車レースのトップカテゴリー”フォーミュラE”が開催されますので、来年の春はモータースポーツ三昧の日々が送れそうで、今から楽しみですね!
2023『F1マシンの見分け方』ガイド/今の「F1」こうなってます 2023年版 ⑤(了)
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