2022年「F1」こうなってます PART 2

2022年「F1」こうなってます PART 2

グランプリの予選方式/あの頃セナ・プロに熱狂した方へ 2022 


現在のF1の予選方式には通常の「公式予選」と一部のグランプリで実施される「スプリント」という2つの方法があります。

それぞれはどういうものなのか?

今回はそんなお話をしたいと思います。



この連載は「久しぶりに F1 見てみようかな?」なんて思っている方へ向け、セナ・プロが活躍していた「あの頃」との違いなんかを挟みつつ、初心者の方にもわかりやすい解説を目指しています。

ご一緒に「F1」楽しみませんか?


「公式予選」と「スプリント」

「あの頃」と比べて一番変化の大きいものが、この2つの予選方式になります。
どちらも決勝レースのスターティング・グリッド(スタートの並び)を決めるものなのですが、少々ややこしかったりしますので説明していきますね。
 

「公式予選」とは

「あの頃」の予選は、金曜と土曜の午後に60分ずつ走って、決勝のグリッドを決めてましたね。
その後、1台ずつアタックを行う予選方式が採られましたが、不公平だったり走らないチームが出たりしたため変更され、2006年から現在の「ノックアウト方式」に落ち着きました。

公式予選は通常土曜に行われます。
Q1、Q2、Q3 の3セッションに分かれていますので、順を追って説明していきます。

Q1 はエントリー全車(2022年は20台)が走行します。
時間は18分間。
ここでタイムが遅かった5台が振り落とされ(ノックアウト)、その順位(16位~20位)が決勝のグリッドとなります。

7分のインターバルののち、残った15台で Q2 が15分間行われます。
ここでも遅い5台がノックアウトされ、11位~15位のグリッドが決定します。

8分の間隔を置いて、ポールポジション(PP)が決まる Q3 が開始されます。
残る10台による12分間のアタックです。
この結果でPP~10位までのグリッドが決まり、決勝レースに臨むことになります。

それぞれのセッション終盤ではタイヤのラバーが乗り、グリップが良くなる路面を狙ってのタイムの出し合いが見られ迫力満点です。
また、多くのマシンがコースインして最適な車間距離を取ろうとするため、最終コーナーあたりで渋滞が発生し速いマシンが下位に沈むなどのハプニングがあったりして、目が離せない予選となっています。

このノックアウト方式は、バリエーションを増やしつつ他のカテゴリーでも導入が進んでいますから、モータースポーツの予選フォーマットとしてはベストなものであると言えるのではないでしょうか?

私(管理人)も気に入っています。
 

スプリント(Sprint )とは

これは決勝レースのスターティング・グリッドを決める、距離が100km程度のミニレースで金曜の公式予選の順位によって決まったグリッドで、土曜の午後にスタートします。
つまり、金曜に「公式予選」、土曜に「スプリント」、日曜に「決勝レース」と3日間見どころが連続するわけですね。

今年はエリミア・ロマーニャ、オーストリア、サンパウロ、3つのグランプリで行われる予定です。
昨年(2021年)から採用され「スプリントレース」や「スプリント予選」「予選レース」なんて呼ばれることもありますが、同じものだと思ってください。

レース時間は1時間以内と決められていて、悪天候などで決められた周回数が消化できない場合は、時間を超えた周がファイナルラップとなる規定です。
赤旗による中断の際には、スタートから1時間30分を超えた時点でレースは終了となります。

スプリントの結果、上位8位まではチームとドライバーに下記のポイントが与えられます。

1位2位3位4位5位6位7位8位
8㌽7㌽6㌽5㌽4㌽3㌽2㌽1㌽

昨年、スプリントが始まった時はどうなることかと思いましたが、FIAがその数を増やしたいとの意向を持つほど好評なようです。
スプリントのポイントが効いて、昨年は最終戦までチャンピオン争いが白熱したわけですから、まずは成功と言えるのではないでしょうか。

 
ポールポジションの規定

ドライバーの個人記録のひとつに、ポールポジション獲得数があります。

スプリントが行われるグランプリでは、公式予選1位とスプリント1位の2つのポールポジションが出てしまいすね。
これだと過去の記録との統一性が失われてしまいますので、今年から金曜の公式予選1位をポールポジションとして記録し表彰することになっています。


”2022年「F1 」こうなってます PART2”の今回は、「公式予選」「スプリント」とそれに関する「ポールポジションの規定」について説明しました。

「公式予選」が今の方式になった2006年から2019年まで、グランプリ初日の金曜はフリー走行しかなく観客動員が伸び悩んでいました。
また、放送・配信の視聴者も少なかったでしょう。

「スプリント」はそれを解消する目的で導入されたものです。
導入前は色々な意見がありましたが、グランプリを盛り上げるために新しいコンテンツを提供してくれるFIAの姿勢には、観客の一人として感謝したいと思います。

この次はどんな事を考えてくるのか?
今から楽しみですね。

次回は、グランプリの「決勝レース」について解説します。

2022年「F1」こうなってます PART 1 グランプリのスケジュールについて

2022年「F1」こうなってます PART 2 (了)

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