「ホンダ」ラストイヤー 開幕
- 2021.03.25
- モータースポーツ
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あの頃セナ・プロに熱狂した方へ 2021 ①
2021年4月27日 加筆
いよいよ3月26日、2021年の「F1」シーズンが開幕しますね。
今年は、例年よりチーム名変更やドライバーの移籍が多く、随分とイメージが変わった感じがします。
日本期待の「角田裕毅」の新加入、メルセデス一強は崩せるのか、新ルールがレースに与える影響など、今年も興味は尽きません。
そして何より、今シーズン限りで活動休止をする「ホンダ」は、どんな私たちに思い出を残してくれるのか?
「日本人ドライバーが出るし、久しぶりにF1観ようかな?」
そんな「戻りF1」な方へ
私(管理人)が。2021シーズンの見どころをご案内します。
今回はそんなお話です。
7年ぶり日本人ドライバー「角田裕毅」
今年は23戦
注目チーム&ドライバー
マシンとレースに関する新ルール
将来への新レギュレーション
「ホンダ」有終の美を!
7年ぶり日本人ドライバー「角田裕毅」
今年、「アルファタウリ」から「角田裕毅」が参戦します。
F1レギュラードライバーとしては、初の2000年代生まれの20歳。(2021年3月現在)
幼少の頃からカートを始め、2016年に入門カテゴリー「FJ」で、本格的にレースドライバーとしてのキャリアをスタートしました。
2017,18年、「FIA-F4(日本選手権)」で好成績を記録して注目を集めます。
私(管理人)は、この頃の「FIA-F4」で中継で初めて角田の走りを見たのですが、「速くてマシンコントロールの上手いドライバーだな」と感心したことを覚えています。
2019年からヨーロッパに渡り、一つ上のカテゴリー「FIA-F3」で世界選手権にデビュー。
翌年(2020年)、順調に「FIA-F2」にステップアップして、優勝3回、表彰台7回で年間ランキング3位を獲得。
「F2」の最優秀新人賞と、FIA全競技を対象とした「FIA ルーキー・オブ・ザ・イヤー」をW受賞しました。
2020年12月16日、「スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ」から、2021年のドライバーとしての起用が発表されました。
レースデビューから5年、渡欧2年で「F1」まで一気に駆け上がった、正に”スーパールーキー”ですね。
先週(2021年3月12-14日)バーレーンで行われた「F1」のプレシーズンテストで、最終日にフェルスタッペンに次ぐ2位のタイムを記録して、海外のメディアからも大きな注目を集めています。
中継の車載カメラ映像を見ましたが、今年の「アルファタウリAT02」はステアリングの修正が少なく、乗りやいマシンのようですから期待がもてそうです。
DRSの使用区間が他ドライバーより長かったからとか、トップチームが本気出してなかったとかという意見もありますが、あくまでもテストですしねぇ。
それを差し引いてもあのタイムは、彼が才能の有るドライバーであることの証明だと思っています。
今年は、「F1」参戦初年度ですから焦らず経験を積んで、将来の「トップドライバー」への礎石として欲しいものです。
今年は23戦
3月26日から始まる「バーレーンGP」を皮切りに、12月15日の「アブダビGP」まで全23GPが予定されています。
昨年(2020年)は、コロナ流行のあおりを受け7月からの開催になったり、多くのレースがキャンセルされたり、開催地の変更もあったりした中、全17GPが開催されました。
鈴鹿の「日本GP」、伝統の「モナコGP」、「ベトナムGP」や「オランダGP」などが中止となり少々残念に思えるシーズンでした。
が、代替開催の「トスカーナGP(ムジェロ)」「ポルトガルGP(アルガルベ)」、「トルコGP」、「エリミア・ロマーニャGP(イモラ)」など「あの頃のF1」でお馴染みだったサーキットで、久しぶりの開催がありましたから、私(管理人)はそれなりに楽んで見ておりました。(アルガルベは、昔「F1」チームのテストのみで使用していましたから、GPレースとしては初開催でした)
こういう状況ですので、今年もこの先どうなる事やらわかりません。
今のところ、「日本GP(10月)」「モナコGP(5月)」「オランダGP(9月)」は予定に入っていますから、期待したいと思います。
「ホンダ」のラストイヤー、ホームコース”鈴鹿”で見たいですよね。
また、新たに「サウジアラビアGP(12月)」がカレンダーに加わりました。
市街地コースながら高速レイアウトなので、どんなレースになるか、こちらも楽しみにしています。
去年に引き続き、「やる方も大変、見る方も大変」な3週連続開催が、今年も2度予定されています。
頑張って、予定やりくりして観戦したいと思います。
注目チーム&ドライバー
「ストップ・ザ・メルセデス」はどこか?
7年連続でコンストラクターチャンピオンの「メルセデス」。
果たしてこれを止めるチームは、出てくるのでしょうか?
とにかく、毎年”ハズさない”マシンを作ってくるチームです。
問題が出ても、次にはきっちり修正をして長引かせない、レース現場と開発マネージメントの歯車がしっかりとかみ合って総合力では断トツだと思います。
精密であるが故に、一つ歯車が狂うとガタガタっとしてしまい、結果レースを失ったというケースもいくつか見られました。
弱点はそのあたりかなと。
敵失に頼らず、真の速さで対抗するチームの登場を期待しています。
ルイス・ハミルトン 8度目のタイトルなるか?
通算のレース優勝回数、ポールポジション獲得数、獲得ポイント数など、多くの記録を更新し続ける”当代随一”のドライバー「ルイス・ハミルトン」。
昨年、英国王室から「サー(爵位)」の称号を授与されました。
今年も「ワールド・チャンピオン」を獲得し、『皇帝』ミハエル・シューマッハが持つ7回を抜いて「歴代ナンバーワン」となるか注目されています。
たまに見せる荒っぽい走りや、レース外での言動が物議を呼ぶこともあり、いわゆる”アンチ”が多いのも事実です。
まぁ、過去の偉大なドライバー(例えばセナ、プロスト、マンセル、シューマッハなど)も同様でしたから、これも大物の証明だと言えるでしょう。
「強すぎでつまらない」なんて意見もありますが、歴史が作られる瞬間の目撃者である幸運を楽しみましょう。
「レッドブル」の躍進、「フェラーリ」復活なるか?
「メルセデス」の快進撃を阻止するのは、この2チームが最右翼でしょう。
初のワールド・チャンピオンを目指す「マックス・フェルスタッペン(レッドブル)」に注目です。
ここ数年チームメイトの成績が振るわず、孤軍奮闘を強いられて苦しい闘いが続きました。
今年は歴戦のベテラン「セルジオ・ペレス」を迎え、チームで「メルセデス」を追撃する体制が整ったと言って良いでしょう。
テストを見る限り、新設計の「ホンダ」PU(パワーユニット)も好調のようですし期待大ですね。
昨年(2020年)、思わぬ不調に陥っていまったのが「フェラーリ」です。
ドラッグ(空気抵抗)の多い車体とパワー不足のPUが足かせとなり、表彰台はおろか中団に沈むことが多く「らしくない」シーズンでした。
正直、テストを見た限りでは、まだ今年のマシンの実力はわかりません。
改良された車体と新設計のPUが、本番でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみにしています。
やっぱり、このチームは速くないと「らしく」ないですよね。
この他にも、「フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)」の復帰、PUを最強の「メルセデス」に変更した「マクラーレン」の更なる躍進、「アストン・マーティン」に移籍した「セバスチャン・ベッテル」の復調なるか、「キミ・ライコネン(アルファロメオ)」の悪態、「F2」から昇格してきた「角田裕毅」ら実力派揃いのルーキーたち、まだまだ楽しみは沢山ありますね。
話題満載の2021年シーズン、楽しんでいきましょう!!
昨年末に、2021年の全チーム&ドライバーについて書いた記事があります。
是非、こちらも合わせてお読みください。
↓ ↓ ↓
あの頃セナ・プロに熱狂した方へ/2021年 F1に日本人ドライバーが帰ってきます!(2021年3月24日改定)
マシンとレースに関する新ルール
マシン(シャーシ+PU)関連の新ルール
来年度(2022年)から予定されている、大幅なマシンのレギュレーション改編を念頭に置き、比較的に小規模な変更に留まっています。
ここでは、今年導入の主な新ルールについてお話します。
シャーシの使用について
今年は全チーム合意のもと、昨年型(2020年)のシャーシを使用する事になっています。
モノコック(車体のベース)の新規開発は禁止され、今年のレギュレーションに合わせた変更のみ、制限付きで認められています。
マシン形状の変更
安全のため、コーナーでの速度低下を念頭に導入されたルールです。
ダウンフォースの10%削減を狙い、フロアパネルの形状、リアブレーキダクト周辺の空力パーツ、ディフーザーのサイズなど、主にマシン後部が変更されました。
相変わらずの「FIAと技術者のいたちごっこ」の始まりって感じですが、3月のテストでは、すでに失ったダウンフォースの3割程度取り戻しているという報道もありましたし、シーズンが進んだらどうなっているでしょうね。
PUについての制限
2026年から「F1」では、次世代のPUを導入する予定です。
それまでの間、2022年以降のPU開発は凍結される事になりました。
故障、クラッシュなどによるPUパーツの交換については、「ICE」「MGU-K」「MGU-H」「TC」は3回、「ES」「CE」は2回まで、ペナルティー無しで認められています。
コピー問題の再発防止
昨年、一部のチームで起きた、部品コピーの合法性をめぐるトラブルを受けて、再発防止のルールが導入されました。
マシンには、自社で開発しなければならない構成要素が定められています。(リステッド・パーツといいます)
これ以外のパーツに関して、提携チームから提供を受けたパーツをベースにした開発や、3D映像などでライバルチームの技術をコピーすることが禁止されました。(どうやって取り締まるのか、疑問はありますが)
他チームからパーツを買って、そのまま取り付ける事は認められています。
レース関連の新ルール
タイヤについて
耐久性がアップした新しい構造の「ピレリ」タイヤが採用されました。
グランプリ毎にハード2セット、ミディアム3セット、ソフト8セットの組み合わせで供給されます。
これは、昨年と同様のコロナ禍での特例措置で、組み合わせの変更はできません。
フリー走行
昨年まで「90分間」だった金曜日のフリー走行(FP1,FP2)の時間が「60分間」に変更されました。
金・土曜日、3回のフリー走行すべてが「60分間」になるわけですね。
今年は過去最多のレース数になりますので、それに対するエンジン、タイヤの走行距離など、コスト軽減が目的かと思われます。
「スプリント・レース」導入か?
2021年3月24日現在、導入を前提として協議されています。
全23戦のうち数戦において、土曜日の「公式予選」の代わりに短いレース(スプリント・レース)を行うというもので、以下の実施要領が報道されています。
・レース距離は100km前後
・スターティング・グリットは金曜日の「FP2」の順位による
・レースの結果がそのまま決勝レースのスターティング・グリットとなる
・8位以内のドライバーには、通常の約半分のポイントが与えられる
まだ協議中ですので、どのGPで行われ、どんな方式が採用されるかは未定です。
PUやタイヤの消耗の事もありますから、そのあたりの規則変更も行われると思います。
「スプリント・レース」が、タイトル争いにどんな風に影響するのか?
こちらも楽しみです。
加筆:「スプリントレース」について
2021年4月27日「F1公式サイト」で実施の発表がありました。
上記のルールとは若干変更されていますので、こちらのページををお読みください。
マシンのテクノロジーや、レースの方式などは、こちらをご覧ください。
昨年(2020年)の記事ですが、基本はご理解いただけるかと思います。
↓ ↓ ↓
あの頃セナ・プロに熱狂した方へ③/シャーシについて
あの頃セナ・プロに熱狂した方へ④/PU(パワーユニット)について
あの頃セナ・プロに熱狂した方へ⑤/予選・レースについて
将来への新レギュレーション
バジェットキャップ
現在の「F1」は、「あの頃のF1」と比べて、年間にかかる費用が数倍になっています。
予算の潤沢なチームとそうでないチームでの格差も広がっていて、参加継続をあきらめ撤退したり、”身売り”をするチームも少なくありません。
新規参入のチームも減ってきています。
これは「F1」が抱えている大きな問題として何年も前から協議が重ねられ、その結果今年から本格導入されるのが「バジェットキャップ」です。
今年の場合、1チームの年間活動費をおよそ1億5,000万ドル(約160億円)以内として、それを超えた場合は罰金や、ポイントの剥奪など厳しい処置がとられます
この金額には、PUの購入代金(1,500万ドル以内)、金額上位3名のスタッフ報酬、ドライバーの年俸、マーケティング費用、医療費、移動費、スタッフの福利厚生費などは含まれません。
また、開発施設の建設・増築や機材購入の費用は、別枠の制限内で認められています。
簡単にまとめると「技術面の開発とレース運営に掛かるコストを均一化して、マシンや開発力の差を小さくしレースを面白くしよう」って感じになりますか。
すぐに結果が見えるものでは無いかも知れませんが、過去の「スーパー・アグリ」や去年の「ウィリアムス」のようなことはやはり寂しいですから、健全な方向へ向かってくれるといいですね。
「風洞テスト」の回数制限
ご存知のように「F1」マシンにとって空気力学は重要な要素です。
これを効率よく開発するためには「風洞テスト」が欠かせません。
上記の「バジェットキャップ」と同様に格差の是正のため、前年度のコンストラクターズ・ランキングの順位によって「風洞テスト」の回数が制限されます。
今年の場合は、去年のランキング5位を基準(1週間40回)にして、ランキング1位はその90%(同36回)、10位はその112.5%(同45回)となります。
下位チームは、上位チームより技術的なチャレンジが多くできるわけですね。
こちらも、長い目で見ていきましょう。
「ホンダ」有終の美を!
「あの頃のF1」が大ブームになった要因の一つとして「ホンダ」の存在を挙げないわけにはいきませんね。
「アイルトン・セナ」「アラン・プロスト」「中島 悟」「ネルソン・ピケ」「ナイジェル・マンセル」…名立たるドライバーたちが「ホンダ・エンジン」駆り、熱い闘いを繰り広げた「あの頃のF1」。
ブーム絶頂期の1988年「マクラーレン・ホンダ」は、16戦15勝の圧倒的な強さでシーズンを席捲。
それをドライブする「セナ・プロ」へ、熱い声援を送った方も多いのではないでしょうか。
かく言う私(管理人)もその一人でした。
一時の熱狂は去ってしまいましたが、毎年の「日本GP」には10万人をゆうに超える観衆が詰めかけています。
「F1」というスポーツが、この国にすっかり定着した証と言えるでしょう。
「ホンダ」はその最大の功労者であると、私(管理人)は考えています。
ラストイヤーとなる2021年、最後のレースまで「ホンダ」は、前進を続けてくれるものと期待しています。
秋の夕日に照れされた鈴鹿で、ポディウムの真ん中に立つ「ホンダ・ドライバー」想像しながら、今シーズンを見ていきたいと思います。
撤退発表後、あるF1関係者が言った一言があります。
「環境が整えばホンダはまた戻って来るさ。私は楽観しているよ。」
そんな言葉にわずかな希望を持ちつつ、今回のお話を締めたいと思います。
あの頃セナ・プロに熱狂した方へ 2021 ① (了)
参考文献
『2021 FORMULA 1 TECHNICAL REGULATIONS』
FIA 公式サイト https:// www.fia.com/
『2021 FORMULA 1 SPORTING REGULATIONS』
FIA 公式サイト https:// www.fia.com/
『各種ニュースリリース』 FORMULA 1 公式サイト
https:// www.f1.com/
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